新聞報道で話題になっていますが、資本金1億円以下のいわゆる「中小企業者等」であっても、大企業並みの所得のある場合には、中小企業に対する優遇措置が制限されるという改正が平成29年度税制改正で登場するようです。

この大企業並みとはいったいどういう基準で判定するのかについては、報道では、過去の年平均で所得が15億円オーバーの法人をいうとなっています。

平成28年度税制改正大綱では、「資本金以外の指標を組み合わせること等により、法人の規模や活動実態等を的確に表す基準に見直すことについて 検討する。」としていましたが、「資本金基準+所得基準」が導入されることになります。

この改正が実現すると、中小企業およそ250万社のうち所得が15億円を超える「数百社」が増税になると予想されます。

なお、平成28年度税制改正当時の財務省の資料では、資本金1億円以下の中小法人の所得分布について、下記の資料が公表されていました。赤枠で囲んだ部分が今回のターゲットと言えます。

財務省

出典:http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/mail_magazine/20151216a.pdf


【疑問1】 なぜ所得15億円?

報道では、過去10年間の大企業の平均所得が15億円だったということから、それを上回る場合には、大企業と同様に、課税をするという法人として扱うとされています。


【疑問2】 「従業者数基準」との関係は?

平成28年度税制改正では、少額減価償却資産(30万円未満)の損金算入の特例について、従業者数1000人基準が導入されました。

つまり、「資本金基準+従業者数基準」という組み合わせだったわけです。

しかし、今回の案では、「資本金基準+所得基準」となっています。

これは、制度ごとに変わるのか、あるいは、「資本金基準+従業者数基準+所得基準」の3重基準になるのか、注目されるところです。


【疑問3】 制限を受ける中小優遇措置は?

今のところ、「設備減税」については確実視されていますが、それ以外は不明です。

ただ、個人的には研究開発税制や所得拡大促進税制が平成29年度税制改正の対象なので、同様に制限が加えられるのではないかと予想するところです。

中小企業の軽減税率や留保金課税、貸倒引当金、欠損金まで踏み込むかは不明です。

※情報が確定次第、この記事は書き換えます。